【SaaSって何?】THE MODELも知らなかった30代後半・元食品メーカー営業が、リモート入社の孤独と「機能説明の罠」で大爆死した最初の3ヶ月

キャリア

30代後半で大手食品メーカーから、無形商材のSaaS(サース)ベンチャーへと転職した私ですが、今だから本音を告白します。

入社当時の私は、「SaaS」という言葉の意味すら、まともに分かっていませんでした。「THE MODEL(分業制)」なんて横文字も、調味料の規格か何かかと思っていたレベルです。

世の中の転職成功談は、どれもスマートで格好いいものばかり。でも、現実の私のスタートは、不安と孤独で心臓がバクバクする、泥臭くて、みっともないほど冷や汗まみれのものでした。

「本当に自分は外の世界で通用するのか?」と不安でたまらないあなたへ、私が最初の3ヶ月間で味わったリアルな絶望と、そこから救われたブレイクスルーの事実をすべてお話しします。

入社初日のリアル:リモート環境の孤独と「作業したフリ」

ただでさえ30代後半での未経験転職という大きな挑戦なのに、私の入社は「リモートワーク環境」でのスタートでした。

食品メーカー時代は、出社すれば誰かがいて、「現場に行けばモノがある」という安心感がありました。しかし、ベンチャーのオフィスはみんなリモートで、誰がどこにいるのかすら分かりません。

そもそも、オンラインのツールの使い方もままならない状態からの始まり。人事が一通りの受け入れ手続きはしてくれたものの、それが終わると、次は何をすればいいのか、誰に声をかけて聞けばいいのかすら分かりませんでした。

「とりあえず、座って何か作業しているフリでもしておこう……」

初日の私の心境は、これでした。 大手の看板を失い、見知らぬ静かなオフィス(または画面の前)で、何がわからないのかすらわからない孤独感。あの時の、胸がギューッと締め付けられるような焦りと不安は、今でも忘れることができません。

目の前が真っ白になった「機能説明の罠」

右も左もわからない中で、私が唯一できると思ったのが「自社ツールの機能を完璧に覚えること」でした。メーカー出身の真面目さというか、「商品のスペックを頭に入れないとお客様の前に立つ資格はない」という職人気質な考えがあったからです。

一生懸命に機能を叩き込み、頭に叩き込んで「よし、これで行ける!」と臨んだ、ある商談でのことです。

私は自分なりに、ツールの素晴らしい機能をしっかり、完璧に説明できたと思っていました。ドヤ顔で説明を終えた私に、お客様から返ってきたのは、こんな言葉でした。

「うーん、便利なのはよく分かった。……けど、結局うちはどうしたらいいんだろうねぇ?」 「これって、結局何ができるツールなの?」

頭をハンマーで殴られたような衝撃でした。 便利なのは分かったけれど、自分たちの会社がどう変わるのかが全くイメージできない、と言われたのです。

私はお客様の質問に、一言も返せませんでした。「自分は今まで、一体何を伝えていたんだろう……」と、帰り道に猛烈な情けない気持ちと冷や汗が吹き出しました。有形商材のように、モノのスペックや便利さ、人間関係だけで買ってもらえる世界ではなかったのです。

入社3ヶ月目、「ゴールの設定さえできれば、自分の経験は活きる」と確信した日

絶望していた入社3ヶ月目、上司が私の商談に同席してくれたとき、ようやく霧が晴れる瞬間が訪れました。

上司は、ツールの機能の話なんて最初ほとんどしませんでした。 「御社は数年後、どういう状態を目指しているんですか?」 「そこに向かう上で、今一番困っていることは何ですか?」 と、相手と対話しながら、徹底的に「どこに困っているのかという目線合わせ(ゴール設定)」をしていたのです。

その会話を横で聞いていたとき、私の脳内でバラバラだったパズルが、カチッと音を立てて繋がりました。

「そうか!SaaSの営業は、ツールの説明をする仕事じゃない。お客様と一緒にゴールを設定する仕事なんだ」

そして同時に、ものすごい安堵感が押し寄せてきました。 「もし、そのゴール(目線合わせ)さえ最初に見つけてしまえば、あとは前職で培ってきた営業経験を活かして、お客様と一緒に課題解決に取り組めるじゃないか!」と思えたのです。

むしろ、目指す山(ゴール)さえ決まれば、そこに向けてロジックを組み立てていくのは、データ分析や予測提案を得意としてきた自分の「強み」そのものであると、一気に自信に変わりました。いかにその最初のゴール設定(目線合わせ)ができるか。それこそが、無形営業を攻略する最大のポイントだったのです。

まとめ:今、不安で足がすくんでいるあなたへ

オンラインのやり方も分からず作業したフリをしていた私でも、機能説明で大爆死して言葉を失った私でも、3ヶ月後には「自分のこれまでの営業経験は、ここで強みになる」と確信することができました。

有形営業から無形営業、そしてSaaSの世界へ行くとき、最初の不安は本当に凄まじいものです。プライドもズタズタになるかもしれません。というか、私はなりました。

でも、安心してください。 あなたが大手メーカーで培ってきた「相手の状況を予測する力」や「真面目に商品を勉強する力」は、無形の世界でも間違いなく武器になります。使う順番と、脳の筋肉の切り替え方が少し違うだけです。

誰もが最初は無知からのスタートです。その不安を乗り越えた先に、会社の看板に頼らない「一生モノの稼ぐ力」が待っています。まずは、一歩を踏み出す勇気を持ってみませんか?

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