【マインド変革】「自分が無能に思える」最初の3ヶ月をどう超えたか。私が大手メーカーの成功体験を捨てて、年下に頭を下げ続けたリアルな記録

キャリア

これまでの記事では、私がSaaSの商談で「機能説明の罠」に気づき、具体的にどうやってヒアリングの型を組み立てていったかという実務の話をしてきました。

しかし、未経験からITベンチャーへ転職した際、営業スキルを覚える以前に、私自身が本気でぶつかった最大の壁があります。

それは、「これまで培ってきたプライドを捨て、新入社員に戻れるか」という、マインドのギャップでした。

大手メーカーで実績を出し、自信を持って飛び込んだはずなのに、入社直後は「自分はここでは全く無能なのではないか」と強い自己否定感に襲われ、毎日のように焦りと戦っていました。

この記事では、私が実際に直面した「社内ツールとAIの壁」、そしてそこからどうやってプライドを捨ててキャッチアップしていったのか、その泥臭いプロセスをすべて書き残します。

最初のしんどさ:メール文化から「Slack・Salesforce・AI」の嵐へ

ベンチャーに入って私が最初に最も苦労したのは、営業活動そのものよりも、大量の「社内ツール」を覚えることでした。

前職の大手メーカーでは、コミュニケーションの基本は「メール」か「対面」でした。 しかし、転職先ではSlack、Salesforce、さらには複数のAIツールが当たり前のように導入されており、周りのメンバーはそれらを呼吸をするように使いこなしていました。

特にSlackには本当に慣れませんでした。 常にどこかのチャンネルでテキストコミュニケーションが生まれ、凄まじいスピードで流れていく。「これ、私はどの会話に、どういうタイミングで反応したらいいんだ?」と勝手がわからず、画面の前で立ち往生していたことを今でもよく覚えています。

さらに焦りを生んだのが「AIの使いこなし」というスキル面でのギャップでした。 これまでAIを一切使わずに仕事をしてきた私の横で、周りのメンバーはAIを使って驚くほどのスピードで資料を作り出し、効率的に仕事をこなしていました。

「自分は有形営業でやってきたのに、こんなことすらできないのか……」

しかもリモートワーク文化だったため、隣の人に「これ、どうやるの?」と気軽に聞くこともできません。私は自宅のデスクで、一人で強い劣等感を抱えていました。

私がとった泥臭い行動:YouTubeでの独学と、年下へのロープレ直談判

このままでは本当に通用しなくなる。そう危機感を覚えた私は、それまで持っていたメーカー時代のプライドを一度、すべて捨てる決意をしました。

まず、ツールの使いこなしやAIの活用法については、人に聞けない分、夜な夜なYouTubeで関連する解説動画を検索し、独学で操作を勉強して追いつきにいきました。

そして営業のキャッチアップについては、恥を忍んで、入社数年の若いメンバーたちに「私のロープレに付き合って、フィードバックをくれないか」と頭を下げて回りました。

メーカーでの10数年のキャリアなんて、この世界では1ミリも関係ありません。営業の仕方が全く違うのだから、自分はただの「新入社員」である。

そう割り切って、年下の先輩たちから言われる耳の痛いフィードバックをノートに書き留め、一歩ずつ自分の営業を修正していきました。

過去の成功体験をどれだけ早く捨てられるか。それが、この環境での成長スピードを捉える唯一の鍵だと気づいたのです。

見えてきた本質:AIは手段であり、核は「構造化と自分の言葉」

泥臭くキャッチアップを続けて数ヶ月が経った頃、私の中で一つの確信が生まれました。

「AIを使いこなせる=営業で成果が出る、というわけではない」ということです。

周りがスマートにAIを使って資料を作っているのを見て最初は焦りましたが、AIはどこまでいっても効率化の「手段」でしかありませんでした。 無形営業の本質は、前回お伝えしたような「お客様の複雑な業務を自分で構造化し、自分の言葉で顧客とゴールの目線合わせをしていくこと」です。

これは、AIが代わりにやってくれることではありません。

ツールやAIの操作に慣れてしまえば、そこから先は、私達メーカー営業が元々持っている「泥臭さ」や「顧客と丁寧向き合う姿勢」が、そのまま強力な武器として活きてくるのです。

まとめ:どれだけ早く「新入社員」になれるか

ベンチャーへの転職を検討している方に、私が一番伝えたいのは、「最初からスマートにこなそうと思わないでほしい」ということです。

最初の3ヶ月は、ツールの多さやスピード感に溺れそうになり、自分の無能さに凹む日が必ずあります。

大切なのは、そこで中途半端なプライドを守ろうとしないことです。

  • わからないツールは、YouTubeでも何でも使って裏で泥臭く勉強する
  • 年下のメンバーであっても、新入社員のつもりで頭を下げて教えを乞う

このマインドセットさえ持っていれば、環境のギャップは必ず乗り越えられます。 trenches(現場)での壁を超えた時、あなたがメーカー時代に培ってきた「本質的な営業力」が、ベンチャーの舞台で一気に活きてくるはずです。

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