マイホームはいつ買う?NISAを崩す前に試算したこと

お金のこと

以前「マイホームか賃貸か。今まさに悩んでいる30代の本音整理」という記事で、「頭金を大きくするか、運用を続けながら少なめの頭金にするか、まだ答えが出ていない」と書きました。

あれから、この論点についてだけは自分なりに考えを整理できたので、今回はその部分に絞って書いてみようと思います。ただし先に言っておくと、「いつ買うか」の最終的な結論は、今もまだ出ていません。

NISAを取り崩すことへの迷い

正直に言うと、ここが一番悩んでいる部分です。

複利効果が乗り始めたタイミングで資産を崩す葛藤

今、NISAでの運用は、ようやく複利効果を実感できるタイミングに入ってきています。ここで住宅購入のために資産を取り崩すと、これまで積み上げてきたものの意味が薄れてしまうんじゃないか、という葛藤があるんですよね。

「頭金のために取り崩す」という選択と、「運用は運用として続けながら、借入額を増やす」という選択、どちらが正解なのか、今の自分にはまだ判断がついていません。この葛藤は、以前の資産形成の記事を書いていたときにはなかった悩みで、資産が育ってきたからこそ出てきた、新しい種類の迷いだなと感じています。

金融庁の情報で確認した「NISAは全部解約しなくていい」という事実

ここで一つ、調べてみて知っておいてよかったことがあります。

金融庁のNISA特設サイト(2026年9月確認)では、NISA口座の保有資産は部分的に売却(取り崩す)ことが可能で、必ずしも一括で全部を売却する必要はない、という趣旨の説明がされています。運用を継続しながら、必要な分だけ取り崩していく、という選択肢もあるということです。

「頭金のために、育ててきたNISAを全部崩す」か「NISAには一切手をつけない」かの二択だと思い込んでいましたが、実際にはその間に「必要な分だけ部分的に取り崩す」という選択肢があることが分かり、少し気持ちが楽になりました。とはいえ、非課税保有限度額は1,800万円(2026年9月時点、金融庁公式サイトで確認)と決まっているので、取り崩した分の非課税枠をどう考えるかは、もう少し調べてから判断したいと思っています。制度は変更される可能性があるため、実際に判断する際は最新情報をご確認ください。

それでも「いつ買うか」の基準だけは決めている

NISAを取り崩すかどうかの答えは、正直まだ出ていません。ただ、葛藤を抱えたまま何も基準を決めずにいると、いつまでも動けないままになってしまいます。そこで、あくまで我が家の場合として、「ここまで来たら動く」という基準だけは決めています。

マイホームの判断基準にしている「資産4,000〜5,000万円」という数字

今のところ、資産が4,000万円〜5,000万円、できれば5,000万円以上に届いたら、頭金をしっかり確保したうえで動けると感じています。

この数字に明確な計算式があるわけではありません。正直、感覚的な部分も大きいです。ただ、住宅ローンという大きな負債を抱えることを考えると、頭金の分だけ借入額を圧縮できて、かつ手元の資産運用も大きく崩さずに済むラインが、自分たちの場合はこのあたりなんですよね。

以前の記事では資産2,500万円という数字を書きましたが、今の目標ラインはそこからさらに一歩先にあります。まだ届いていない数字なので、「そこまでの間、ずっとこのまま待つのが正しいのか」という迷いも、正直あります。

一つ注意点があるとすれば、資産を頭金に全振りしてしまうと、諸費用や生活予備費が足りなくなるリスクがあることです。頭金の目安を考えるときは、住宅購入費とは別に、当面の生活防衛資金も確保しておく前提で考えています。

「上の子が中学1年生になるまで」に買いたい理由

もう一つ、自分たちの中で決めている基準が、上の子が中学1年生になるまでには買いたい、というものです。

理由は大きく2つあります。一つは、転校させたくないという気持ちです。中学生になってからの引っ越し・転校は、友人関係や部活動への影響も大きく、子供への負担が小学生の頃とはまったく違うだろうと考えています。

もう一つは、子供部屋の問題です。今住んでいる家は間取りが狭めで、子供部屋を作ってあげられていません。小学生のうちはなんとか部屋がなくても過ごせていますが、中学生になると、自分の部屋を持ちたくなる年頃だろうと考えているんですよね。

「中学1年生になるまで」という期限を区切ることで、「資産が貯まるまでずっと待つ」ではなく「いつまでに、どのラインを目指すか」という形で、頭金の目標額と時間軸をセットで考えられるようになった気がします。

老後資金はどれくらいかかるのか、公的統計で試算してみた

ここまでは「いつ・いくらで買うか」という話でしたが、もう一つ気になっているのが、「60歳で夫婦二人になった時、その時点で家が買えるのか」という老後への不安です。

買えなかった場合、賃貸暮らしを続けることになりますが、その家賃をどう捻出するのか。実際に老後にどれくらいお金がかかるのか、一度きちんと数字で見ておきたいと思い、公的統計を調べてみました。

持ち家(住宅ローン返済中)と賃貸、支出はこんなに違う

まず、30代・40代について、住宅ローンを返済しながら持ち家に住む場合と、賃貸に住む場合とで、費目別の支出がどう違うのかを比べてみます。

費目持ち家(住宅ローン返済中)・30代持ち家(住宅ローン返済中)・40代賃貸(全年齢平均)
消費支出293,169円339,552円311,685円
食料85,115円94,803円77,404円
住居(家賃地代+設備修繕維持)2,982円7,387円68,805円
光熱・水道21,457円23,318円20,769円
家具・家事用品13,671円13,198円10,555円
被服及び履物12,121円13,855円9,296円
保健医療13,906円12,801円12,799円
交通・通信54,763円52,641円36,752円
教育10,191円28,799円10,759円
教養娯楽34,604円38,426円23,163円
その他の消費支出44,358円54,324円41,383円
住宅ローン返済額(消費支出には含まれない)94,276円88,370円–

出典:

  • 持ち家(住宅ローン返済中)の列:総務省統計局「家計調査(家計収支編)第3-10表 住宅ローン返済世帯 世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)、2024年(令和6年)平均(e-Stat)
  • 賃貸の列:総務省統計局「家計調査(家計収支編)第3-7表 住居の所有関係別1世帯当たり1か月間の収入と支出」のうち「民営借家」区分(二人以上の世帯)、2024年(令和6年)平均(e-Stat) (確認年月:2026年9月。e-Statの元データを直接ダウンロードして検証済み。ただし「賃貸」の列は、年齢階級別のデータが見つからなかったため、全年齢の平均値です。また持ち家・賃貸とも、子供の有無で絞り込んだデータではありません)

正直に言うと、「住居」の消費支出だけを見ると、持ち家(30代2,982円、40代7,387円)は賃貸(6万8,805円)よりずっと安く見えます。ただしこれは、総務省の統計では住宅ローンの返済額(元本・利息)が「消費支出」に含まれず、貯蓄や借金返済と同じ区分に分類されるためです。実際には、持ち家世帯は住宅ローン返済額として月8万8,370円〜9万4,276円を別途支払っており、これを「住居」に足すと、実質的な住居コストは30代で約9万7,258円、40代で約9万5,757円になります。つまり、持ち家か賃貸かで住居コストの総額自体はそこまで大きく変わらず、賃貸(6万8,805円)よりもむしろ持ち家(ローン込み)の方が高めに出ている、というのが正直な発見でした。

老後は、持ち家と賃貸でここまで差が出る

続いて、65歳以上の無職世帯(年金生活が中心の世帯)について、同じように持ち家と賃貸で比べてみます。

費目持ち家・65歳以上無職世帯賃貸(民営借家)・65歳以上無職世帯
実収入264,178円205,416円
消費支出262,426円237,062円
食料80,048円65,618円
住居(家賃地代+設備修繕維持)15,741円57,450円
光熱・水道23,539円20,771円
家具・家事用品12,171円7,911円
被服及び履物5,924円4,089円
保健医療17,861円12,325円
交通・通信31,181円22,728円
教育444円1,050円
教養娯楽25,667円14,101円
その他の消費支出49,849円31,018円
可処分所得230,250円185,838円
黒字(赤字)▲32,175円▲51,224円

出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)第3-7表 住居の所有関係別1世帯当たり1か月間の収入と支出」のうち「二人以上の世帯のうち無職世帯」区分、2024年(令和6年)平均(e-Stat)(確認年月:2026年9月)

一点補足すると、この「無職世帯」は「65歳以上夫婦のみ」に限定した区分ではありません。ただ、18歳未満の世帯人員がほぼ0人(持ち家0.04人、賃貸0.23人)であることから、実質的には高齢者中心の世帯だと考えられます。

正直、この表で一番はっきり出たのは、老後は持ち家と賃貸で赤字額そのものが違う、ということです。持ち家世帯の毎月の赤字は3万2,175円ですが、賃貸世帯は5万1,224円と、1万9,000円ほど差が開いています。実収入自体にも差がある(持ち家26万4,178円、賃貸20万5,416円)ため、単純に住居費の差だけが原因ではなさそうですが、老後に賃貸を続ける場合の負担が軽くない、という実感は持てました。

老後30年で、持ち家と賃貸の差はどれくらいになるか

この毎月の赤字額を、30年分(65歳〜95歳)単純に積み上げてみます(あくまで単純計算であり、実際には年金額や資産運用の状況によって変わります)。

  • 持ち家:毎月3万2,175円の赤字 × 12ヶ月 × 30年 ≒ 約1,158万円
  • 賃貸:毎月5万1,224円の赤字 × 12ヶ月 × 30年 ≒ 約1,844万円

差額にすると、約686万円です。60歳までに家を買えず、そのまま賃貸を続けることになった場合、老後の家計にはこのくらいの追加負担がのしかかってくる可能性がある、ということが、公的統計から見えてきました。

正直、この数字を実際に計算してみて、想像していたより大きい金額だと感じました。「60歳までに家を買えなかったら、賃貸でなんとかなるだろう」という漠然とした不安が、具体的な金額として見えてきたことで、頭金の基準や購入時期について、より真剣に考えるきっかけになっています。

今の自分の結論(結論を出さない、という結論)

ここまで書いてみて、頭金の基準(資産4,000〜5,000万円)と、時間軸の基準(上の子が中学1年生になるまで)については、自分なりの線引きができました。

一方で、「NISAを取り崩すか、運用を続けながら借入額を増やすか」については、今もまだ答えが出ていません。金融庁の情報で「部分的な取り崩しもできる」と分かったことで選択肢は広がりましたが、どのくらいの割合で取り崩すのが自分たちにとって無理のない選択なのか、正直まだ計算しきれていません。

この基準は、あくまで我が家の状況(共働き、子供二人、現在の資産状況)を前提にしたものです。世帯年収や子供の年齢、資産運用の方針が違えば、当然この数字も変わってくるはずなので、そのまま当てはめられる基準ではないと思っています。それでも、「なんとなく不安」を「いくつかの具体的な数字」に置き換えてみることで、悩みの輪郭が少しはっきりした気がしています。

老後資金の試算も含めて、次に自分がやるべき宿題は、以前の記事でも触れた家計の見える化を、住宅購入前提でもう一段細かくやり直すことかなと考えています。

よくある質問

Q. NISAを住宅購入のために取り崩すと、非課税枠は再利用できますか?

非課税保有限度額は1,800万円で、売却すると翌年以降にその分の非課税枠が復活する仕組みになっています(2026年9月時点、金融庁公式サイトで確認)。ただし年間の投資上限額など細かいルールがあるため、実際に取り崩しを検討する際は、金融庁の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

Q. 老後資金はいくらあれば安心ですか?

「いくらあれば絶対に安心」という基準はありません。総務省の家計調査(2024年平均)では、二人以上世帯のうち無職世帯の毎月の赤字が、持ち家で約3万2,000円、賃貸で約5万1,000円というデータがありますが、実収入や資産運用の状況によって必要な金額は大きく変わります。ご自身の状況で試算してみることをおすすめします。

Q. 頭金はどのくらい用意するのが目安ですか?

一般的には住宅購入費の1〜2割程度が目安とされることが多いようですが、我が家では「資産4,000〜5,000万円」という総資産ベースの基準で考えています。金利水準や借入額によっても変わってくるため、絶対的な正解があるわけではないと感じています。

まとめ

マイホームを買うタイミングについて、頭金の基準(資産4,000〜5,000万円)と時間軸の基準(上の子が中学1年生になるまで)は、自分なりに整理できました。一方で、NISAを取り崩すかどうかという一番の葛藤には、まだ結論が出ていません。

ただ、老後資金を公的統計で試算してみたことで、「なんとなく怖い」だった老後への不安が、具体的な数字として見えるようになったのは、今回書いてみてよかったことの一つです。同じように悩んでいる方が、ご自身の数字で試算してみるきっかけになれば嬉しいです。

まだ結論の出ていない悩みではありますが、マイホームか賃貸かで悩んでいた時の記事、NISAとiDeCoの使い分けについての記事ともあわせて、続報が書けるタイミングでまた経過をお伝えできればと思います。

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