30代後半の転職に「資産の盾」はなぜ必要か?資産2500万円で年収ダウンの不安を乗り越えた話

仕事とキャリア

30代後半、世帯持ち。大手メーカーからベンチャー企業(SaaS営業)への転職を考えたとき、私の頭を最も悩ませたのは「お金の不安」でした。

大手の安定した看板と定期昇給を捨て、あえて年収ダウンを受け入れてまで新しい環境に飛び込むには、単なる「キャリアへの情熱」だけでは足りません。家族を路頭に迷わせないための、極めて現実的で泥臭い「お金の損得勘定」が必要でした。

結果として、私が一歩を踏み出せたのは「約2,500万円の金融資産」という盾があったからです。

同じように大手からベンチャーへの転職に不安を感じている方は、決して少なくないはずです。この記事では、私が大手からベンチャーへ転職するにあたり、既婚・子持ちの立場でどのようなシミュレーションを行ったのか、そして実際に転職してみて分かった「資産形成を早いうちから始めるべき本当の理由」を、私のリアルなアセットアロケーション(資産配分)とともに包み隠さずお話しします。

大手からベンチャー転職の不安1位は「お金」|資産2,500万円のポートフォリオと「20%の覚悟」

まず、私がベンチャーへ転職する基盤となった当時の金融資産約2,500万円のリアルな内訳(アセットアロケーション)がこちらです。

  • インデックス投資:60%(全世界・米国株など堅実な積立)
  • 個別株:15%(グロース株・プライム市場銘柄)
  • 保険:10%
  • 現金:15%

※将来的には、より手間をかけず堅実に運用するため、インデックス投資の比率を90%近くまで高めていく予定です。

「マイナス」の恐怖をどう乗り越えたか?

今でこそ淡々と運用していますが、投資を始めた当初は、資産がマイナスになるたびに「本当にこのままで大丈夫だろうか…」と激しい不安に襲われました。特にコロナショックなどの外部環境の悪化局面では、画面を見るのも嫌になる瞬間がありました。その気持ち、痛いほど分かります。

しかし、もがきながら学んだのは、「悪い時(暴落時)ほど、コツコツと淡々と積み立てを続けることで、その後の回復局面で大きなリターンとして帰ってくる」という市場の原則です。

もしあなたが今、現状維持の生活費として「使わないお金」を持っているなら、それを銀行口座に眠らせず、別の場所(市場)で働かせることはキャリアを主体的に選ぶ上でも非常に重要です。投資信託・個別株それぞれの具体的な始め方については、貯金700万から資産2500万への投資体質アップデート編で詳しくお話ししています。

私が転職を決意するにあたって持ったのは、「所有している資産のうち、最悪20%くらいはなくなってもいい。これは自分の市場価値を上げるための自己投資(授業料)だ」という覚悟でした。この心の余裕(盾)があったからこそ、ベンチャーという荒波に飛び込む決断ができたのです。

転職の生活防衛資金シミュレーション|妻の離職リスクも想定した「年間100万円貯金」の作り方

30代後半の世帯持ちの転職において、独身時代のように「自分の身一つで勝負する」ことは不可能です。私が転職前に机の上で何度も計算したのは、「ベンチャーに転職して一時的に年収が下がっても、年間最低100万円の貯金(資産形成)を維持できるか?」という一点でした。

具体的には、以下のようなシミュレーションを回しました。

① 固定費の徹底的な見直し

住居費、通信費、保険、サブスクリプションなどを限界まで削り、年収が下がっても「年間100万円の貯金ライン」を絶対に割らない生活防衛費の基準値を割り出しました。固定費の見直し方の実践編は、共働き夫婦の家計管理デザインでも具体的に紹介しています。

② 妻の離職リスクの織り込み

ライフステージの変化や健康上の理由で、将来的に妻がどこかで離職する可能性も想定しました。片働きの期間が発生しても、インデックス投資の運用益を含めて世帯全体が破綻しないか、数年単位のキャッシュフローをシミュレーションしました。

③ 「資産が〇〇千万円を超えたら」という未来予測

「インデックスの運用額が〇〇千万円に達すれば、年利〇%で計算して毎年これくらいは自動的に増える可能性がある」という複利の効果を逆算しました。そこから、「だからこそ、自分の本業の給与水準は最低ここまで持っていけば大丈夫だ」というキャリアのリアルな目標設定(ゴール)を行ったのです。

転職の年収ダウンのリアル|実際にベンチャー転職して知った「給与の伸びしろ」

しかし、実際に大手メーカーからベンチャー(SaaS営業)へ転職してみて、厳しい現実に直面することになります。それは、「自分の給与は、思っていたほどすぐには伸びない」ということです。

転職前は、「ベンチャーだから成果さえ出せば、定期昇給も含めてガンガン給与が上がるだろう」と都合の良いイメージを抱いていました。しかし現実は違います。

当然ながら圧倒的な成果が必要ですし、有形商材から無形商材への転職初期には「これまでの成功体験が通用しない3ヶ月の絶望期」も訪れます。そして、仮に成果を出したとしても、組織の評価制度や会社のフェーズによって、給与の伸び率には一定の限界(キャップ)があるのが現実でした。

この時、私は痛烈に感じました。「もしプライベートの充実や、家族との安定した生活も諦めたくないのであれば、会社からの給与だけに依存していてはダメだ。もっと早い段階から資産形成を意識し、お金にも働いてもらう仕組みを作っておくべきだった」と。

会社からの給料だけに依存していると、ベンチャーでの成果プレッシャーに心がポキッと折れてしまいます。しかし、「本業の給与が思ったより伸びなくても、裏でインデックス資産が勝手に育ってくれている」という状態があれば、本業でも目先の数字に一喜一憂せず、顧客と真摯に向き合う営業ができるようになります。結果として、それがキャリアの成果にも繋がるという好循環が生まれるのです。

まとめ:30代のキャリアチェンジを成功させる「資産形成」という土台

30代後半からのキャリアチェンジには、リスクが伴います。「ベンチャーに行けば年収が上がる」という甘い言葉を鵜呑みにすると、思ったより伸びない給与水準に後悔することになりかねません。

だからこそ、本業での努力(自己投資)と並行して、早い段階からの「インデックス投資を中心とした堅実な資産形成」を強くおすすめします。

  • 生活水準をコントロールし、年間100万の貯金ラインを守る。
  • 資産の20%は自己投資として割り切る覚悟を持つ。
  • お金に別の場所で動いてもらい、「資産の盾」を作る。

この盾があるからこそ、私たちは会社の看板を外し、自分の市場価値を高めるための本当の挑戦ができるようになります。あなたのキャリアと資産形成が、より強固なものになることを応援しています。

この「資産の盾」の土台となった最初の500万円の貯め方は、サラリーマンの資産形成の始め方【哲学篇】で公開しています。また、大手企業に感じていた閉塞感や転職を考え始めたきっかけについては、大手企業=安泰の終焉、30代後半で直面する3つの壁もあわせてご覧ください。

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