ヒアリング力「だけ」じゃなかった。営業で気づいた、転職先選びの新しい視点

仕事とキャリア

「ヒアリング力さえ磨けば、営業はうまくいく」。正直、SaaS営業に転職してきた頃の私は、そう思い込んでいました。

実際、その通りにヒアリングを頑張れば頑張るほど結果が出ると思い込んでいた時期があって、最初は全然うまくいきませんでした。

でも実際に商談を重ねる中で、ちょっと拍子抜けする瞬間が何度もあったんですよね。ヒアリングがそこまでうまくいかなくても、決まってしまう商談があったんです。

今回は、営業として気づいたこの経験を、転職先選びという視点まで広げて書いてみます。「自分の営業力に自信が持てない」という方に、少しでも参考になればうれしいです。

この記事の結論 営業で商談を分けていたのは、ヒアリング力そのものより「商品が課題を解決できるか」という商品力でした。この視点は、転職先選びにもそのまま応用できます。

結論:ヒアリング力だけでは決まらない商談がある

結論から言うと、商談が決まるかどうかは、ヒアリング力だけで決まっているわけではないんですよね。

もちろんヒアリング力は大事です。お客様の課題に対して、自社の機能で本当に解決できるかを示せるかどうかは、最後まで重要なポイントだと感じています。

ただ、それだけでは説明がつかない商談を何度も経験しました。このズレに気づいたことが、今回この記事を書いてみようと思ったきっかけです。

メーカー営業からSaaS営業に転職して気づいた、商談の分かれ方の違い

前職の食品メーカー時代は、競合とバッティングする前提の市場で戦っていました。同じ土俵に必ず競合がいて、数ある選択肢の中から選んでもらう必要があったんです。この場合、最終的には商品力そのもので決まるケースがかなり多かったと感じています。

一方、SaaS営業に転職してからも、競合とバッティングする商談はあります。そうした場面では、お客様の課題に対してちゃんとアプローチできるかというヒアリングも大事になってきます。

ただ、そこでうまく課題を整理できたとしても、その整理自体は、比較対象になっている競合の商品にも同じように当てはまるものなんですよね。結局は、商品力で最終的に決まるケースも少なくありませんでした。

メーカー時代とSaaS営業、業界も商材の形も違いますが、共通していたのはこの点です。ヒアリングは営業における大事な前提・土台ではあるものの、それ自体が最終的な決め手になるわけではありません。最後にその商品が課題を解決できるかどうか、という商品力こそが、どちらの業界でも共通して意思決定を左右する要素だったんです。

ヒアリングがそこまでうまくいかなくても決まった商談に共通していたこと

実は、ヒアリングがそこまでうまくいかなかったのに決まった商談には、共通点がありました。

それは、「これができれば安心」という魅力だけで、お客様の心が動いていたことです。ロジカルに課題を整理しきれていなくても、その一点の魅力が決め手になっていたんですよね。

一番多かったのは、導入実績の強さが決め手になったケースです。

「他の会社でもこれだけ使われているなら大丈夫だろう」という安心感は、ヒアリングでの多少の粗さを埋めてしまうくらいの説得力を持っていました。

自分の説明が完璧じゃなくても、実績という土台がそれを補ってくれている感覚がありました。

「他社も使っているから安心」という顧客基盤の強さ

導入実績と近い話ですが、顧客基盤や口コミの強さも、商談の決め手になることがあります。

「他社も使っているから大丈夫だろう」という安心感は、お客様にとって想像以上に大きな判断材料になるんですよね。

それでも最後にモノを言うのは「自分がその商品を信じられるか」

ここまで商品力・顧客基盤の話をしてきましたが、それだけで全部決まるわけでもないと感じています。

ロジカルに話しても、正論だけでは人は動かないんですよね。最後は、自分がその商品を信じて、伝えきれるかどうかが大事だと感じています。

商品力に助けられる商談があるのは事実です。でも、それを一番前で伝える自分自身が半信半疑だと、お客様にもその温度感は伝わってしまう気がしています。

この気づきを転職先選びに活かすなら、見るべき3つの視点

この経験は商談の中で得た気づきですが、転職先を選ぶときの視点としても使えるんじゃないかと思っています。

1つ目は、自分の悩みをその商品が解決できるかどうかです。営業として日々向き合う商品を、自分自身が「これは効く」と思えるかどうかは、想像以上に営業のしやすさに影響してきます。

2つ目は、その会社自身がプロダクトを使っているか(自社利用)どうかです。自分たちで使っていない商品を売るのと、自分たちも使っている商品を売るのとでは、語れるリアリティが違ってくるはずです。

3つ目は、開発に力を入れているかどうかです。導入実績のような安心感は、開発が積み重ねてきた結果として生まれるものだと感じています。ここが弱いと、ヒアリング力でカバーできる範囲を超えて苦しくなる場面が増えるはずです。

転職先を選ぶ際、こうした視点を持っておくと、入社後の営業の負担がだいぶ変わってくるんじゃないかと思っています。

ヒアリング力そのものを伸ばしたい人へ

ここまで商品力・顧客基盤の話をしてきましたが、ヒアリング力そのものを高めることも、もちろん大切です。ヒアリングの前準備や、課題を構造化して聞く方法について書いた記事もあるので、あわせて読んでみてください。

転職活動全体の流れが気になる人へ

転職活動そのものの進め方や、SaaS業界への転職が気になる方は、以下の記事もあわせてどうぞ。

よくある質問

転職先を選ぶとき、商品力はどうやって見極めればいいですか?

一つの方法として、自分自身がその商品を使う立場だったら本当に欲しいと思えるか、を考えてみるのがおすすめです。加えて、導入実績の多さや、会社自身がその商品を使っているか(自社利用)を確認してみると、商品力を判断する材料になります。

ヒアリング力と商品力、営業にはどちらが大事ですか?

どちらか一方だけが大事、というわけではないと感じています。ヒアリング力は自分の努力で伸ばせる部分ですが、商品力や顧客基盤は会社選びの時点である程度決まってしまう部分です。両方を意識しておくことが大事だと思います。

自社サービスを自社で使っている(自社利用)かどうかが重要なのはなぜですか?

自社利用している会社は、開発チームが実際の使用感をもとにプロダクトを磨き続けている可能性が高いからです。営業として説明する際にも、実体験に基づいたリアリティのある話ができるようになります。

まとめ

ヒアリング力を磨くことは、営業として大事な取り組みです。ただ、それだけが商談の結果を決めているわけではないというのが、今回お伝えしたかったことです。

商品力・顧客基盤・自社利用という視点は、営業の現場で気づいたことですが、転職先を選ぶときの判断材料としても十分使えると感じています。

「自分の営業力に自信が持てない」という方こそ、一度こうした視点で、今の会社や転職先候補を眺め直してみてください。ここだけ押さえておけば、営業としての苦しさが少し軽くなるはずです。

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